未来の人間にヘビーに響かせる方法

Date
2008-08-25 (月)
Category
日記

「霧の火」という日テレのドラマを見た。第二次世界大戦末期、樺太で電話交換手をしていた9人の女の子たちの生き様を通じて、人間の尊厳や精神的な価値を再認識しようというような内容。

物語が人に与える影響というのは言うまでもないことだけど本人の想像力や理解力によって大きく変わってくる。どんなに訴えたいことがそこに込められていたとしても、受動で観ている人にとっては物語そのものが持っているメッセージの半分も伝わっていない。
かといって誰にでも分かるように物語を単純化すると、例えの幅が広がりすぎて、訴えたい内容自体の幅は逆に狭くなってしまう。

では、物語を変えずどのようにすればそれを補えるのか考えてみた。

例えば、物語に出てくるキャラクターたち全てを知人友人親族に置き換えてしまうというのはどうだろう。

「霧の火」だったら、自分をかばって死んでゆくのは友人や両親だ。その画面が語る意味というのは、役者の優れた演技という説得力を軽々と飛び越えて、物語本来の意味で心に響くはずだ。

ひと昔前の人間は、クルマやカメラといったモノに対して思い入れという自己投影をしてきた。でも、いまはこれだけアバターアバターと言っている時代。テレビを眺めてタレントに親近感を覚えるのに使ってきた時間を、存在感を増すネット世界に湯水のごとく費やし、肉体と精神の乖離はどんどん進んでる。
そんな環境で育った人間たちが、いつまで自分と縁もゆかりもない役者やキャラクターに自己投影できるものだろうか、とつい考えてしまう。

顔を3Dモデルや自分のアバターで挿げ替えた役者が氾濫する時代というのは着々と近づいて来ているのだ。

見た目も中身も自分にソックリなAIを作るって夢も本気でアリだな、と言ったらやっぱり笑われてしまうのだろうか。

080826_0128.jpg

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45:2009-09-19 (土) 06:22

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