現代魔法
- Date
- 2008-10-02 (木)
- Category
- 日記
現代における魔法とは何だろう。
人に勧められて「ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪魔のシナリオ」(ジョージ・ソロス:著 徳川広家:訳 松藤民輔:解説 講談社)という本を読んでいるのだけど、その前半、解説の中で松藤民輔さんがとても面白いことを書いている。
私は八年ほど前に南アフリカで金鉱山の経営を行っていた。ある時、そこに名門ロスチャイルド家の関係者が訪れたことがある。“オックスブリッジ”の歴史学科を出ているその人物は、私たちに平然と「歴史を勉強していなかったら、ブタだ(人間じゃない)よ」と言い放った。特定の人間を愚弄した言葉ではなく、ごく普通に口から出た言葉のように思えた。これが世界の政治経済を牛耳るトップ・エリートの感覚なんだなと、その時、私は痛感したものだ。
現実に、彼らエリートには彼らだけのスタンダードである「共通言語」や「共通認識」がある。そうした共通言語をもち、真のエリートたちの“インナーサークル”に入れるごく一部の者だけが、世界の大企業のトップとなって数十億の年収をもらい、プライベートジェットでスイスのダボス会議に参加し、「次の金儲けのテーマは『金融』から『エコ』にしよう」などという、地球の新しいルール作りにたずさわる資格をもつ。(解説:「私が今までで一番勉強させてもらった本だ」より抜粋)
(普通の?)人間は、手から炎を飛ばしたり、自由に空中を浮遊したりすることができない。でも、もしそういった魔法のような力が欲しいと真剣に考えた場合どうしたらいいのだろう。
まだ日本が鎖国していた頃、その日本を支配するには武力が必要だったと思う。
しかし、世界のあらゆる事や物が「お金」というひとつのルールで解釈できるようになってしまうと、ほとんどの人は自らのエネルギーをそれに変換せずにはいられなくなった。
すると、その仕組みを使って自分の書斎にいながら地球の反対側に塔を建てるということさえできるようになってしまった。
国だけでなくて、一個人すら支配できるようになってしまった。これはファンタジー世界で描かれる魔法と何ら変わらない力だと思う。
ただし、それが代理である以上、実質的なエネルギーとその間にギャップが産まれるという問題を孕んでいるわけだから、今のサブプライムやこの本で書かれている超バブルといった問題が出てくるし、お金という意味やルールを理解しようとしない人がその抜け道を使って罪を犯したりしてしまうようになった、とも言える。
丹誠込めてトマトを栽培して、他の人が苦労して捕ってきた新鮮な魚と交換するという時代と本当のところどちらがいいのかわからないけれど、ぼくが想像できないほど自由に現代を泳ぎ回ってる人というのが世界にはいるのだろう。
こういった観点から、秘密の隠されていそうなフィクション作品を楽しんでみたい。でもその前に、今の自分はまず人間になれるようもっと歴史の勉強をして、それに紐づけて現代と向き合えるようになっていかなくては。でなければこの時代において自分が目指す意味のあるものを作れたりするわけがない。
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- 85:2009-09-19 (土) 03:42
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